【チャレンジ】真夏のハセツネ一周に挑んでみた
先週の4連休を使って、私タカナシ、ハセツネのコースにチャレンジしてきました!
ハセツネとは日本山岳耐久レース、長谷川恒男CUPとも呼ばれます。
全長71.5km、獲得標高4582mとなっており、アップダウンが繰り返されるコースレイアウト。
途中決められた水場と途中1箇所のみのエイド。しかも水かスポーツ飲料水1.5リットルと決められており、他は自らが背負っていく必要があります。
開催時期は10月だけど、それでもまだ暑さが残り、トレラン界隈でもかなりハードな大会として位置付けられています。
今回の挑戦のベストなゴールは一周完走。でも無理は禁物なので途中いくつかあるエスケープルートでバス停へ降りることも念頭に行程を組んだ。
7月末ということで暑さと水分が通常のハセツネよりも厳しい条件となること、そしてエイドが無いため、水場でしっかり補給しつつ、ハンガーノックにならないよう補給物を背負い挑む。
なるたけ嵩張らないように日頃のトレランでの経験から余分なものは持たない内容にした。
水:1.5㍑
麦茶:1㍑
ジェル:MAGON 10ヶ
おにぎり:2ヶ
ナッツ:200g
カロリーメイト:2袋
コーラアップグミ:1袋
ジャガビー:1袋
塩分タブレット:10ヶ
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実際の大会と同じように五日市中学校の前からスタート。ここに立つとレースを思い出してドキドキとワクワクが混ざる。
前回のように途中応援に来てもらえる場所では無いため、今回は前回の多摩丘陵チャレンジより更に孤独な旅。
ペースコントロールで体力面は維持しつつ、多摩丘陵100マイルチャレンジでの反省を活かしてメンタル面をいかに充実させるかを強く意識して進む。
大冒険だというワクワクを強く持つことが大事。
五日市中学校を後にして、広徳寺を過ぎ、東京電力の変電所を見ると「あぁ、ハセツネに来た」と実感が湧いてくる。
そのまま今熊神社の境内では今回の旅の安全をお祈りしつつ鳥居を潜った。
登り基調なアップダウンを繰り返し、入山峠に到着すると同じトレランをしている人から「一周するの?」と尋ねられる。「頑張りたいです!」と答えて先に進んだ。ソロでのチャレンジではこういうやり取りが本当にありがたい。
それからも市道山分岐までで2-3人と会うことができ、都度お互いの目標の伝えと応援。暑さもあるし、大体の人が浅間峠ぐらいまでいけたら御の字かなとのこと。
市道山分岐までの4つの壁(傾斜のきつい登りがある箇所が4つありそう呼ばれている)を乗り越え、15km地点にある醍醐丸へ到着。水分は1㍑以上程化しており、ここまでのアップダウンはかなり身体への負担は大きいようだ。
しかし生藤山麓を過ぎるとトレイルも若干緩やかになり、身体の調子も良くなった。そのまま第一関門の浅間峠(約22km地点、獲得標高1750m)まで到着。ハセツネ本戦では多くの応援がある場所も今回は誰一人いない。
それでも何故か応援されたような気持ちになって脚に力が入った。
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浅間峠を過ぎると3km程で日原峠へ到着。「飲料水まで5分」との廃れた看板を発見。山道沿いに降りていくと恵の水が!キンキンに冷えてやがる...
この地点で既に持ってきていた2.5㍑の水は切れており、ここがなければそのままバス停へエスケープせざるを得なかった。
これで旅が続けられる。
持ってきていたスパイシーカレーのおにぎりを頬張り水を2.5㍑補給し水場を後にした。自然の恩恵に感謝感謝。
水を得た魚の如し、その先笛吹峠、西原峠と快調に進んでいた。都民の森へ降りることのできるエスケープルートは無視し、三頭山山頂を目指した。
さすがはハセツネ最高地点へ登るセクションだけあって登りがキツい。重い身体を持ち上げながらなんとか山頂へ到着。走行距離は36km 獲得標高2860m。
ここから第二関門の月夜見第二駐車場まで降りていく。
途中都民の森まで300mのエスケープルートがあった。行けば自販機もあって冷たい飲み物が飲める。
でもここで降りてしまえばバス停を目の前にもう一度戻ってくるのが億劫になりそうだし、ジュースだけ買って帰るのもハセツネっぽくないなと思ったので誘惑を振り切り前へ進んだ。
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三頭山から月夜見山までの道は風も通っていて暑いながらにも気持ちが良かった。風に揺れる草木が応援してくれているようでパワーが出る。
本来レース中では夜のセクションなのでわからないけど、明るいとこんなに綺麗なことを知った。
月夜山を降りロードに出ると第二関門の月夜見第二駐車場に到着した。走行距離は41.6km 獲得標高3061m。本戦ではここで1.5㍑の飲み物が支給される。広いブルーシートが敷かれていて力尽きた選手たちが転がっている姿が印象に残っている。
そんな戦士達の憩いの場もレースがなければバイク屋の溜まり場だ。当然補給するものもなく御前山まで歩を進める。
2年前、自分が途中で辞めた時はこの御前山までの登りで力尽きた。大ダワまで降りる途中で何度も横になり、知り合いにも声をかけられ何とも情けない姿だった。
その時がフラッシュバックするように自分の足取りを重くする。でも今回はメンタルが安定さていてこの登りに落ち着いて向き合うことができた。これが経験というものか。慌てずゆっくり。先はまだ長いんだ。
御前山をなんとか登りきり、少し下ったところにある避難小屋で少し休憩をした。ここの脇にある水場は「煮沸が必要」との看板があったが、以前口にした時にも支障が無かったので今回も水を汲ませてもらった。
避難小屋から東方面を見渡すと街が見え始めている。意地でもあそこまで自分の脚でいこうと決意した瞬間だった。
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避難小屋から大ダワまで、本戦中に何度も横たわったベンチを横目に進んだ。あの時の自分を超えていく感じが気持ちよく思えた。大ダワに到着すると次は大岳山に登る。
ここからは本戦で進めなかったところ。果たしてどうか。大岳山までの距離は3km。御岳山までの距離は7kmとだいぶ近づいてはいるものの日の入りも近づいていたため少し急いで登り始めた。
ここから大岳山山頂までがハセツネ最後の関門と言っても過言ではないかもしれない。御前山と同じぐらい登るのと、大きい岩が多いサーフェスで走ることはできず地道に歩いて進む。
なんとか大岳山山頂まで登りきるとだいぶ疲れがきた。走行距離は53km 獲得標高3950m。腰を下ろして30秒ほど無の時間があったものの、ここまで来たら兎に角先に進むしかないと思い、重い腰を上げ先を急いだ。
御岳山へ登る手前の水場で最後の水補給を行い、一気に御岳山を駆け上った。天空のソムリエがいる長尾茶屋が見えてくるとなんだかホームに帰ってきたような安心感に包まれた。
夕暮の御岳神社を横目に、誰もいない商店街を抜けると日の出山まで2kmの看板。ゴールまでだいぶ近づいているし、あとはほぼ下り基調。
そのままの勢いで日の出山山頂まで登りきると、夕陽は沈み、辺りは若干暗くなり始めてきた。目下には奥多摩の街が広がり、金毘羅尾根を降っていけば武蔵五日市にたどり着くのが見てわかる。
暗くなる前に降り切ってしまおう。
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麻生山を過ぎた辺り、ゴールまで残り5km程の地点だろうか。ついに夜を迎えた。
持ってきたヘッドライトを点灯させようとしたところ何故かつかない。予備電池に入れ変えたがつかない。昨日の地点ではギラギラに光っていたのに何故...
慌てる気持ちを落ち着かせて携帯を見ると充電が切れている。携帯のライトも使えない。
急遽とてつもない恐怖に包まれることになった。真っ暗山の中、一歩先が見えない。どうやって麓まで降れば良いのだ。
持っているもの全てを考えて、唯一発光するものがあった。時計である。
心拍を測る機能を使用する際に、時計の内側部分が光る。これで山道を照らすと僅かだがトレイルが見えた。
もうこれを頼りに進むしかない。持ってきたポールで先の足場を確認しながら、僅かに見える山道を恐る恐る降る。
途中こまめに看板をチェックしながら、金毘羅山方面にひたすら進み、尾根を歩き続けること1時間ほどようやく民家の明かりが見えた。
無事に旅を終えることができる安堵感から涙が出そうになった。舗装路がどれ程恋しかったか...
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最後にアクシデントもあったが、なんとか五日市会館へ到着した。着いた時には13時間を経過していた。
携帯の充電も切れ、時計もリストの光を照らすために麻生山で止めており、最後の金毘羅尾根の下りの記録はない。
でも自分の記憶には深く刻まれる経験となった。
そんなこんなで約71km、獲得標高約4,600mの旅を約13時間ほどで完走することができた。
ハセツネに関しては厳しくハードな大会というイメージが強かったけど、今回走ってみてまた違う面が見えた。
エスケープルートあり、水場あり、景色あり、丁寧な看板あり、山小屋ありと、コースに挑む者にとっては優しい一面も沢山あり魅力溢れたコースである。
それでも夏の挑戦となれば準備も情報も覚悟も必要となってくる。
そんなチャレンジを完遂できて、一言で言えば嬉しい。でも予備のヘッドライトを持ち、最後まで気持ちよく走り下ることができたらもっと良かったなと反省の気持ちの方が大きい。
また今回のチャレンジの経験や反省を次のチャレンジに活かしていこうと思います。
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そんなこんなで今回の挑戦は無事成功することができました!
挑戦の様子について動画でも公開しておりますので是非ご覧いただけますと幸いです。
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