【高梨の多摩雑感vol.17】あの日無人島が教えてくれた④
今回の記事は、下記記事からの続きとなりますので、ご興味があれば①-②-③を見てからご覧いただけると嬉しいです!
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無人島生活も4日目の朝を迎えた。
無事に水も補給でき、昨日一昨日とは明らかに違った気持ちで朝を迎えている。
思えばここ数日水のことばかり考えていたかもしれない。
心配からは前向きな行動は生まれないわけで。
無人島での生活も堪能できていなかった気がする。
よく考えたら僕たちの行動範囲は半径300m以内。
これではただ生き延びただけで、自分たちが考えていたサバイバル生活とは程遠い。
改めてこの無人島を知ろうということで、この日は島を行けるところまで回ってみようということになった。
と言っても釜島は海岸線長が3.2kmと小さい島なので、無理のない範囲で余裕をもって行けるはずだ。
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「この島の一番高いところを目指す」「対岸へ出る」という目標を立てて森の中に入っていった。
道という道はなく、藪を掻き分け獣道を進んでいく。
どんな虫がいて、どんな獣がいるんだろう。
ワクワクよりも不安が大きい、そんな気持ちだ。
小2時間ぐらい進んだところ、自分達の住処の対岸側へ抜けることができた。この島はどうやら標高が高くて見晴らしの良いポイントはないようだ。
対岸では四国側を望むことができたが、景色は住処から見えるそれとさして変わらない。特段大きな感動があるわけでもなく折り返して、森の中へ戻った。
皆お腹も空いてきていたが、特段食べるものはもってきていない。正確にはもっていけるような食糧はなかった。
いつもの自分の体力は知っている。
このぐらいの運動時間であれば疲れないはずだ。
でもなぜかとてつもない疲労感が身体を襲っていた。
皆も同様のようでだんだん口数が減っていく。
よく考えたら1日での摂取カロリーは大体1000kcal程だろうか。
知らず知らずの内に疲れやすい身体になっていたのかもしれない。
そんな中、森で少し遠目に大きな池を発見した。池には見た事のない白く大きな鳥がいるのが見える。
ここで無人島生活初めて、皆の意見が割れることとなる。
池までいって確かめようというグループと、住処に戻ろうというグループで言い争いになったのだ。
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「お前らがいかないなら俺らだけいく」
「それじゃあ何かあったときに大変なことになる」
と堂々巡り。
自分はどちらでも良いと思っていたところもあり、仲介していた。
ここでは全員で行動するのがマストであり、リスクを考え、池の探索は諦めることになった。
少々不穏な雰囲気の中、とぼとぼと来た道を歩く。空腹や疲れも合間って皆苛立っていたのかもしれない。
このまま少し引きずるかなと思っていたが、そこはここまで一緒に過ごしてきたもの同士、割り切ってすぐ元の状態に戻った。心では色々と思うことはあったと思うけど、共通目標で繋がっている仲間は強い。
無事住処に戻るともう夕刻だった。
島探索で分かったことは、この島には食料もなければ水もない。
良い景色があるわけでもなく、ただただ海に囲まれた無人島であること。
もしこの島に漂流して生活すると考えたら、数日も生き延びることはできないだろうと思ったし、自分達のサバイバルスキルの無さも痛感した。
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5日目になると、皆の雰囲気は目標達成に近づき少しテンションが上がっていた。
あと2日、もうあと2日。
昨日の島探索のことを考えるとあまり無理をせずに淡々と必要なことだけをして生活するのが良策と考えて、ただただ漁と釣りに精を出した。
最初は素潜りの経験のある自分ともう1人しか魚を突くことができなかったのだが、皆5日もやっていると順応してサクッと魚を獲ってこれるようになっている。さらに潮の満ち引きの時間も把握していて海に流されない日中の決まった時間だけ漁をしていた。
少し効率的になった分、空いた時間を使って何か遊ぼうとしていたときに、メンバーの1人がもって来ていたゴムボールの存在を思い出し、皆で海の中でバレーボールをした。ボールを着水させたやつが罰ゲームというルールだ。
これがとてつもなく盛り上がった。
あと2日で終わるということも合間って変なテンションだったのか、罰ゲームは「次の敗者が出るまで岩の上で全裸ダビデ像のモノマネ」だった。めっちゃ笑った。
楽しむ余裕が出て来たのは良いことなのだが、明らかに無駄なカロリーを消費してしまったことは間違いない。そして日焼けもすごいことになっていた。
背中から腕はジンジンするし、寝っ転がるのも大変なのだが、あまりに長い時間このゲームをやりすぎた疲れか、夜は一瞬で寝てしまった。
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最終日前日となった6日目。
明日の朝には漁船が迎えに来る。
今日はそれぞれこの島への思い残しがないように時間を過ごす。後片付けも始めた。
食料も水も見立てがついた分、全てこの日で綺麗に消費する。
改めて振り返ると時には海に流され、水はなくなり、毎日悪魔のように照りつける日射との戦いの日々は本当に大変だった。楽しかったという感覚はまだなく、兎に角達成し、無事に本島へ戻り、お風呂に入って、冷たい飲み物を飲んで、美味しいご飯が食べたいと先にある欲求が先行していた。
日が暮れて、無人島最後の夜を迎えた。
満天な星空のもと、皆でいろいろと共有した。
大変だったこと。本島でしたいこと。
何より皆で最後の夜を迎えられたことへの達成感。
嬉しい気持ちと寂しい気持ちが入り混ざって少し泣きそうになった。
最高の仲間たちと過ごせた日々が何より嬉しかった。
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しかし本島に戻ると旅史上最大のアクシデントが待ち受けていた。。
最終章へ続く。
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