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【高梨の多摩雑感vol.14】あの日無人島が教えてくれた①

 

19日より東京も県外への外出自粛が解除され、SNSでは山へ走りにいく投稿もちらほら。

 

東京から山の選択肢を取るには高尾山、山梨方面、丹沢も近場に入るのかな?

 

行こうと思えば行けるけど、今は混雑も予想されるし、ワクワクする気持ちを抑えて少し落ち着くまでは暫く静観しようかな。

 

自分にとって山に行くのってだいぶアドベンチャーなんですよね。リスクを考えたら気軽に行く気分ではいけないし、特別な場所。

 

山へ行く時のアドベンチャーな妄想していたらふと、19歳の時に行った無人島の旅を思い出したので、少し当時に振り返りながら記録的に書いてみようと思う。

 

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19歳のある夏の日、僕たちは無謀な計画を立てていた。

 

岡山県にある「釜島」という無人島で1週間暮らすというものだ。

 

一緒に行くメンバーを数名誘って、当初自分達にできる出来る限りの緻密のようで穴だらけの計画をして、各親へ説得し、反対されつつも半ば強行突破する形で旅を決めた。

 

当時の気持ちは「ワクワク」と「ドキドキ」

 

自転車で東京から修善寺まで約360kmをママチャリで往復するとかそんなこともしていたけど、今回は全く知らない土地、しかも生きる保証もない無人島に行くわけだから比較にならない冒険だ。

 

なんとも計画している時は「楽しそう」という感情で埋め尽くされ、その先に待つ苦しさ的なものなんて考えられる歳でもない。

 

とにかく行く!

そして楽しもう!

絶対に1週間暮らしきる!

 

皆で決意し、青春18切符を握り締めて鈍行電車で西へ向かった。

 

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でっかいリュックと希望を背負った若者達を乗せて、電車は静岡、名古屋、大阪と西へ進んでいく。

 

海、自然、街並。

 

電車の窓からは生まれて初めて通る地域の姿が映し出され、眺めているだけで時間はあっという間に過ぎていった。

 

どことなく皆も旅路の不安もあるのか、意外に話さずにそれぞれ本を読んだり、外を眺めたりしていた。

 

途中、不発弾が見つかったとのことで電車が止まるアクシデントはあったが、その他は順調な旅。

 

岡山県に到着し、事前に頼んでいた7日分の飲料水を船に乗せ、港街 児島を出港した。船頭さんには1週間後に迎えにきてもらうように伝えてあり、それまでは本島へは帰れない。

 

それぐらいの覚悟(今思えばリスク管理出来なすぎw)を持って、船上ではもう物語の主人公にでもなった気持ちで舞い上がっていた。おそらくこの時が一番テンションが上がった瞬間だ。

 

さぁ僕たちを何が待っているんだ。

 

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釜島は瀬戸大橋のたもとにあり、周囲2kmの無人島。

 

戦後に入植者がいて、一時は小中学校もあったようだが、1980年に無人島と化した。歴史を辿れば平安時代に藤原純友が都落ちしてこの島へ来て城を築いたなんていう記録も残っている。

 

そんな情報があったら、何か見つかるかもしれないなんて、ボー・ケン・シー(冒険心)がくすぐられちゃう訳で。

 

船上の視界には瀬戸大橋がドンッ。無人島の割には人工物も目の前にあるのでサバイバル感は少し薄い。でも次第に近づいてくる島に心躍る。

 

そしてついに島へ上陸。もうみんなはしゃぎまくり。

 

遊びたい気持ちを抑えて、真っ先に「しなきゃいけないこと」を着手し始めた。

 

それは住処作りだ。

 

森の中は虫や動物がたくさんいるかもしれないので、浜辺を住処にすることに決めた僕たちは持ってきたタープとテントをサクっと立てた。トイレも作って完成。

 

ちょっとしたそれぞれのスペースなんてのも作ってみた。1週間いる訳だからパーソナルスペースは皆ほしい訳で。

 

そして、ここは無人島。

 

どこからどこまでが誰のものなんてない。皆好きなように陣取った。

 

だんだんと夕刻に近づくにつれて、橋と海、遠くに見える本島を夕焼けが包み込む。

 

そんな風景を眺めながら皆で明日からの生活のことを話しつつ、持ってきたパスタと缶詰で簡単な夜ご飯を済ましてサッサと寝床へ。

 

テントは荷物置き場にして、タープにシートを敷いて皆で川の字で寝た。

 

空を見渡せば無数の星、海を見下すと海蛍だろうか、青白く輝いている。

  

「明日から1週間、ずっとここで過ごせるんだ」

 

というワクワクと一抹の不安が頭をよぎりながらもスッと目を閉じ1日目を終えた。

 

第二章へ続く

 

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