【高梨の多摩雑感vol.11】共に在る
久々に朝からスッキリ青空ですね。
今日も相変わらずの朝ラン中に考えた事を。
僕の近所のルーティンコースは昔からある樹が多く、背が高い。
走りながら見上げた時に、この時期の草葉の緑と空のコントラストがとても綺麗で癒されます。
そんな樹の姿を見ながら自分の人生のテーマの1つにしている
「人と自然が共存していく」
というテーマについてふと考えたので、そのきっかけを少し書いていきます。
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僕は団地育ちでして、小学生のころは友達とよく団地内にある公園でかくれんぼしたり、鬼ごっこしたり、隠れ家を作ったりして遊んでいました。(実はこの時からの友達とL.L.Lをやってたりします)
整備されているわけではなかったのですが、草木が沢山あって隠れる場所も沢山。だからこそ自分たちが手を加える余白があって自分たちの居場所となっていました。
その当時の僕は樹に話しかけたり、風に話しかけたりしていたのですが(ここだけ切り取るとヤバいやつ)、風が樹を揺らすと「あっ答えてくれた」なんて嬉しくって。
あれは中学生の頃だったか、団地内の公園が大きく整備されたことがあって、話しかけていた樹が伐採されて、公園もとっても綺麗になりました。
とても過ごしやすくなったし、見栄えも良くなった。
でもね、何かとても寂しかったんです。
おそらくこの整備工事に関しては団地内の人の多数決もあっただろうし、多くの人が望んだことだからしょうがないって思った部分もありました。
でも僕が話しかけていた「団地の樹君」はもういないんです。
樹だから?邪魔だから?その方が住みやすいから?という理由で伐採されたことにとてつもない違和感を感じました。
何年もかけて育った樹齢何十年という命がサッと切られる瞬間を見て
「一緒に暮らしていくことはできなかったのだろうか」
と強く思いました。
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その後環境地理学専攻がある大学に進んでそのことのついて学び始めました。
その時に書いていた論文の調査で、大きな道路を通すために果樹園や畑を潰すという計画の討論会みたいなものに参加させていただいた時が印象的で。
どちらかといえば昔昆虫採集とかをしていたあの果樹園近辺を潰して欲しくない!という気持ちで参加させてもらったのですが、どっちも変なことを言っているわけでも無かったんですよね。
ここに道路が通れば、渋滞が緩和されるし、その横には家が立つし、大きな商業施設ができて、行政も税金として回収できれば街が潤うかもしれない。経済的な目線で言えばメリットが大きい。
でも畑や果樹園があるおかげで、空気が綺麗になっているし、散歩する人の癒しにもなっているし、そこで生産される作物を食べることができる。そこに住う人の自然環境的にはメリットが大きい。
双方主張は間違っているわけではなく、立場が違うだけで。
白か黒という話でなくて、結局グレーのところでどれだけ折り合いをつけるかって話で、現実を見せつけられました。
「団地の樹君」の事を考えると、悔しながらに「折り合い」の中では残されなかったという結論になってしまう。ただ立っていた場所がたまたまそこだっただけでね。
卒論も無事に提出し、卒業も確定した段階で、就職先を環境系にと考えたこともあったのですが、なんかしっくりこなくて、ゴリゴリの金融系を就職先に選んでしまってからずっと今まで金融系のサラリーマンとしてやってきました。経済を回している側です。
でも就職してからもあの時切られた「団地の樹君」に対して、どこか後ろめたい気持ちがありました。
何か自分にできることはないのだろうかと考えていた時にランニングを趣味で始めたのもあって、「自然の中を走る」ということに出会ったのが大体10年ほど前です。
トレランという言葉もまだ知らなかったし、山ではなく多摩丘陵だったのですが、「そこに在る自然に走って会いにいく」という形をとった時に「これだ」と思いました。
公園は公園、自然は自然であって、人の住むとことは人の住むところで分けていく。
同じ場所に住もうとするから「折り合い」をつけなければならないのであって、「共存」というのは同じ場所に住むことじゃなく、「共に在り続ける」という理解で良いのかも!と思ったわけです。(もののけ姫でいうタタラ場とシシ神の森の在り方的な感じです)
そして比較的都心に近く人の居住も多いけど、自然が残る場所も多い「多摩」はそれができる場所なのではと思い、多摩のランニングコースを紹介するようになっていきました。
これが僕が「人と自然の共存」というテーマをもとに活動するきっかけのお話です。
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今、時代は急速に動いていて、IT化もオンライン化も進み、日々激動です。
でもこれから人間が便利になるための文明発展の恩恵を「自然と人間の共存」というテーマに少しずつ分け与えながら、一緒に在り続ける方法で、自分が微力ながらできることを今も模索し続けています。
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