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【高梨の多摩雑感vol.7】半径20mの世界

 

毎年5月は茨城奥久慈にある祖母の家に行くと決めている。

 

妹が生まれる前の数週間、祖母の家に預けられて育てられた時期があった。その時のことは今でも不思議と覚えていて、両親とお別れの際には捨てられたと認識したのかすごい大泣きしたし、ばあちゃんも一緒に泣いてくれたのを覚えている。

 

でもばあちゃん家にいる間は、おじいちゃんも、庭にいた紀州犬と狼の雑種「コロ」も一緒にたくさん遊んでくれて楽しい思い出が多い。

 

当初僕はずっとここで暮らしてくんだって思ってたと思っていたのか、無事に妹も生まれ両親が迎えにきてくれた時に「私達のことを他人を見るような目で見てたよ」と母親から言われました。おそらく本気で捨てられたと思って、何かしら決意でもしてたのかななんて思ったり。

 

その時に過ごしたばぁちゃん家の半径20m以内の世界(裏山も、カブトムシも、りんご畑も、小さな小川もある)は今でも大好きで、ふと帰りたくなる場所です。

 

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そんなこんなでばぁちゃん家のある茨城県大子町は僕の第2の故郷となりました。大学生ぐらいまでは1人でよくばぁちゃんとじいちゃんに会いに行ってたなぁ。

 

そして30歳にして「トレラン」という山を走る競技が趣味になって、茨城県大子町にもトレランのレース(距離約59km、獲得標高約4500m、完走率は例年5~6割程ととてもハード)があることを知り、出場を決意。ボロ雑巾のようになりながらも、無事に完走しました。笑

 

それから毎年出場していて、走り終わった後は石屋のじいちゃんが造ったお風呂がある「月居温泉」に入ると決めている。今は亡きじいちゃんにも「頑張ってきたよ」って元気な姿を見せられた気がしてなんか嬉しい瞬間です。

 

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今年はコロナの影響で大会自体が中止となり、さらに外出自粛で茨城にも行くことができず、おばあちゃんに会いに行くこともできません。

 

山奥で1人で暮らすばあちゃんはパソコンも持っていないし、携帯も持っていないから、家電で声だけ聞くことができる状況。

 

「オンライン帰省」の推奨が政府からありましたが、そもそもオンライン出来ず、山奥で周りに誰もいなく、足の悪いばぁちゃんは大丈夫なのだろうかと心配して、ばぁちゃんに連絡したところ、物資も今まで通りだし、当の本人は特別なにも不便はないと。

 

ばぁちゃんはもともと携帯やパソコンを持ってなかったわけで、情報も少ない中、動く範囲も限られていて、田舎に多く人も来ないのでコロナの心配も少ない様子。元気そうで何より。

 

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現在は交通機関の発展や携帯電話やパソコンのおかげで情報がスムーズに入手できるから、人はたくさん移動するようになっていて、人間の移動とともにコロナが拡散したわけで。

 

もしコロナが「天災」によって生み出されたものであったとしても、それが大きく拡大したのは人間の文明の発達が及ぼした「人災」のように思えます。

 

インドのニューデリーでは、大気汚染が改善して過ごしやすくなっているなどのニュースもあったりする。全てがコロナの影響か詳しくはわからないけれど、もしそうであれば日頃の人間の経済活動、生産活動がどれだけ地球に害を及ぼしていたか。

 

資本主義や社会主義を否定するわけではないですが、我々が生み出した大きな社会の中で、結果自分自身の首を絞めているように思えてきます。

 

「成長」「生産」による争いや競合で見落としがちな「大切なモノ」は思うより身近なところにあったりする。

 

それはばぁちゃん家半径20m以内にコロがっていたように。

  

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コロナが終息したら元気な姿を見せにいきます!

 

 

★下記奥久慈トレイルの紹介動画となります。

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